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現実
コヤママサシ


4月24日の夜、仙台市内で撮影の仕事があった。
そして、前日までの一ヶ月間 情報を集めた。
ニュースとネットの接点であまりにも不安定な情報が蔓延していた。
でも、最後は自分の判断。いいもわるいも。
どの情報を信じるかではなく、どの人を信じるかに偏っていった。

石巻でのボランティアから帰ってきたばかりの友人に話も聞けた。

彼の生の声から聞こえる現地の人々の表情、感情、不安、苛立ち。
ネットではわからない、声の中に
「進行中の緊張感」と「リアルなデマ」。

現地からTwitterで報告はあったが声で聞くと体がこわばる。
ボランティアの様子と被災地を高台から見渡した「写真」も数枚あった。

「報道」や「海外メディアの写真」と違う。「日常」に置き換わる。想像以上の落差。




4月24日。

修復された高速道路は福島にさしかかるあたりから、歪み波打っていた。
防音壁が崩れていたり、土嚢の山も数カ所見えた。ドライブインは平穏。
ガソリンスタンドは車を待ち、自衛隊員が数人トイレで顔を洗い続ける。

仙台市内からは真っすぐ東に進む。緑の木々が道路にせり出す綺麗な季節。
市内は外壁はいくつか剥がれてはいたが、シートが貼られ破片は隠れていた。
人の笑顔に目が向く。

仙台東部有料道路の海側と陸側で世界が違った。

津波が2011年3月11日の金曜日にすべてを変えてしまった。

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